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【レジリエンス向上】外傷(PTSD)後の成長(PTG)~感謝の念を高める三種類の手法



みなさんは、PTSD、PTGという言葉を聞いたことがありますか?



心に大きな傷を負うほどつらい経験をした後には、不安や緊張が続いたり眠れなくなったりする「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」が起きることがあります。



その一方で、逆境を乗り越えた後に大きく成長する人たちもいます。



この「心的外傷後成長(PTG:post-traumatic growth)」と呼ばれる変化は、これまで20年にわたって研究されてきました。



PTGという言葉は、心理学者のリチャード・テデスキとローレンス・カルホーンによって1990年代に作られた。トラウマや苦しい環境を乗り切ったことで起きるポジティブな変化を表します。


これまでの研究で、心に大きなダメージを受けた後、それを乗り越えた人の70%が、何らかのポジティブな心理的成長を遂げているとわかっています。


そして、レジリエンス力の向上とも密接に関係するポジティブな心理的成長を養う方法が、ポジティブな感情のひとつである「感謝」を高める習慣を持つことです。



「感謝」というポジティブ感情


感謝とは、人に助けてもらったときや良い状況に恵まれたときに生まれる感情であり、自分のおかれた境遇をありがたいと深く感じる気持ちでもあります。


感謝の感情は自分の内面から生まれるものですが、その気持ちは外に向けられます。親切な行いをされたときには、優しくしてくれた人に感謝が向けられます。そして好運な出来事がもたらされた場合は、神様に感謝をすることがあるのではないでしょうか。感謝は、数ある感情のなかでも神聖で奥深い感情だと考えられます。


そのため感謝は古くかた研究が行われてきました。とくにポジティブ心理学が生まれてからはポジティブ感情の研究が発展し、そのなかのひとつである感謝の研究は脚光を浴びてきました。感謝研究の第一人者である米国のロバート・エモンズ博士は、感謝の習慣を持つことで、こころ・感情・体においてさまざまなメリットが生じることを解明しました。



「感謝」の念を高める三つの方法


感謝は誰にでも感じられる感情ですが、豊かな感謝を持つ人にはある共通点があります。それは自分に「無いもの」ではなく、自分にもたらされている「あるもの」に焦点を当てるという特徴的な物の見方です。

自分に恵まれたものをフォーカスする視点は普段からの意識的な習慣によって養われます。普通は、無いものや足りないものに目が向きがちですので、意志を持ってその癖を変えなくてはいけません。

物の見方を変え、感謝と言うポジティブな感情を高める三つの代表的なテクニックがあります。


1. 感謝日記を書く

2. 三つのよいことを思い出す

3. 感謝の手紙を書く





感謝日記を書く


まずはじめの「感謝日記」を紹介しましょう。


① 一日の終わりに感謝したことを思い出します

② その出来事を日記形式で書き出してみます

③ できれば「なぜこの良い出来事が起きたのか」についてもじっくりと考えてみます

④ そして「ありがたいなぁ」という気持ちを胸の内で感じながら、日記を閉じます


「書く」という行為は、自分の思考を整理して気持ちを落ち着けるセラピー効果があると言われています。この「感謝日記」は、ポジティブな感情を豊かにするための活動です。

その日を締めくくる活動として「感謝日記」を書くパーソナルな時間を持つことは、「自分は恵まれている」という事実を書くことを通して心に刻み込み、純度の高い感謝の気持ちを生み出す価値ある習慣です。


書く行為は、まず頭で考え、その思考内容を手で書き、書いた文字を目で読む複合的な行為です。この「感謝日記」の場合は、さらに感謝の気持ちを胸の内で感じます。思考・行動・感覚・感情を使って豊かな体験をするため、その効果は深く長続きします。


「感謝日記」を書いた後は「今日も1日ついてたなぁ」という気持ちで眠りにつくことができます。朝起きたときも幸せな気分で目覚めるでしょう。


幸せな気分で朝を迎えるためには、どのような心理状態で眠るのかが鍵を握ります。「ありがたい」という感謝の気持ちで床につくことは理想と言えるでしょう。



三つのよいことを思い出す


感謝を高める実証ベースの二つ目のテクニックが「三つのよいことを思い出す」です。


① その日に起きたことを振り返って、うまくいった三つの事柄を回想してください

② 「ありがたい」「運が良かった」と感じる内容を箇条書きで記述してください

③ なぜうまくいったのかについても理由を考えてください


この方法は感謝の感情を高める効果だけに限定していません。ポジティブ心理学の創始者であるマーティン・セリグマン教授らが中心となって行った信頼のおける調査では、「三つのよいことを思い出す」習慣を一週間毎晩継続した人たちの多くが、以前と比べて幸福感が高まり、同時に抑うつの徴候が下がったことがわかりました。



感謝の手紙を書く


そして最後が「感謝の手紙を書く」手法です。


① 自分が過去にお世話になった、助けられた人で感謝を伝えられなかった人を選びます

② その人に向けて感謝の気持ちを表す手紙を書きます

③ どんな親切を行い、好意ある態度を示してくれたかを回想します

④ その結果、どんな好影響を自分の人生に与えてくれたのかも言及します

⑤ その人がいなければ、今の自分がどう変わっていたのかについても考えます

⑥ 書いた手紙は、本人に手渡しするか、送付するか、またはそのまましまっておきます


この手法の興味深い点は、本人に手紙を読んでもらわなかったとしても、書き手の内面に感謝の気持ちがぐっと高まることです。

実際にその本人に会って、目の前で手紙を読むことで直接的に感謝を伝えることも効果的です。急激に感謝のポジティブ感情が高まり、その効果は書き手だけでなく、受け取るほうにも期待できます。



 このように、人に助けてもらったとき、良い状況に恵まれたときに生まれる「感謝」というポジティブな感情は、幸福度が高まるだけではなく、ストレスを低減し抑うつや不安の徴候が下がることから、逆境を体験したつらい時期の立ち直りの方法として有効です。


心的外傷後の成長には、「感謝」というポジティブな感情を高めることが大切なのです。


                       参考文献:「レジリエンス」の鍛え方 久世浩司著




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