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【ポジティブ思考】認知(考え方/捉え方)次第で気分も変わる!?ABC理論とは?



ポジティブ思考?ネガティブ思考?

あなたはポジティブ思考ですか?ネガティブ思考ですか??

(ちなみに私は、思いっきりネガティブ思考です(笑))


皆さんの周りにもポジティブ思考の人、ネガティブ思考の人、いらっしゃると思います。


例えば、仕事で上司にミスを指摘されましたとします。

あなたは、どのように考えますか?


A「あー。ミスする自分なんて最低だ。辛い。」


B「あー。そうか!!だったら、こうしたら、もっと良くなるんじゃない?!指摘してもらったところを変更したらもっと良くなるかも?!頑張ろう」


一般的に、Aの考え方を「ネガティブ思考」、Bの考え方を「ポジティブ思考」と捉えられるかもしれません。では、この違い、どのようにして起こるのでしょうか?


人は、物事が起こったときに、それぞれの認知(考え方/捉え方)によって、気持ちに影響を受けます。この気持ちの部分がポジティブになるか、ネガティブになるか、で行動が代わり、その結果も変わります。次に、このどのように気持ちに変化が起こり、その結果が起こるのかを説明します。


ABC理論とは?

このような「同じ出来事が起こったとしても、認知の仕方が変わることで結果(感情)

が変わってくる」ということを1955年にアメリカのアルバート・エリスという臨床心理

学者が「ABC理論」という理論で説明しました。


下の図を参照してください。




A:出来事(Activating event)→ 実際に起こったこと(事実)

B:信念(Belief)      → それぞれの人の中にある認知(信念)

C:感情(Consequence)  → 信念から生まれる気持ち

です。


この中で「B」の「信念」は、生まれてからこれまでの生活の中で、獲得していくことになります。


ネガティブ思考の人の偏った信念

ネガティブ思考の方は、以下のような偏った信念(考え方の癖)が影響していると言われています。


1. 全か無かの思考

「白黒思考」とも言われ、「完璧主義」の思考です。

少しのミスであっても、ダメだと思ってしまい、自分を責めてしまう傾向があります。


例)仕事で少しのミスが見つかったら、この仕事全てが失敗したと思い込んでしまう。


2. 一般化のしすぎ(過度の一般化)

一度あったことは「必ずこうなる」と思ってしまう思考です。

たった1つのネガティブな経験をしても、全てが同じようにネガティブなことが起こると考えてしまう傾向があります。


例)試合で1回エラーをしたことで、いつも自分はミスばかりしている(だから次もミスをする)と思いこんでしまう。


3. 心のフィルター

たった1つのネガティブなことに注目し、その他のさまざまな点、特にポジティブな事実を見ることができなくなってしまう傾向があります。


例)試験で1つの科目のみ点数が悪かった時に、他の試験の点数が良くても、自分は全然、勉強ができないんだと思う思考。


4. マイナス化思考

マイナス化思考とは、なんでもない出来事なのに自分の中でマイナスの出来事に変えてしまう思考です。


例)上司に褒められたのに、自分があまりにできないから、気を遣って褒めてもらって申し訳ない、と思う。


5. 結論の飛躍

他人の気持ちを勝手に想像して、「こう思っている」と決めつけてしまう傾向です。

例)友達に話をした時に「へぇ。」と答えられた時に、(友達は)自分の話に興味がないんだ。嫌われている。と思う。


6. 拡大解釈と過小評価

自分自身の短所や失敗を大きく考えてしまう(拡大解釈)、一方で、自分自身の長所や成功を小さく評価してしまう傾向です(過小評価)。


例)試験で平均点より10点多い点数だったのにと「10点しか多く取れなかった(過小評価)」と感じるのに、10点低い点数だった時に「10点も低かった(課題解釈)」と思う。


7. 感情の決めつけ

感情を理由に出来事の意味を決めつけてしまう考え方の傾向です。


例)あの人のことが嫌い(感情)だ。だから、嫌なことをしてくるに違いない。


8. べき思考

明確な根拠がないのに「〇〇すべき」という信念で自分や他者を苦しめてしまう考え方の傾向です。


例)「人には優しくしなければならない」と思いすぎて自分を犠牲にしてまでも人に親切にする。


9. レッテル貼り

ネガティブな短い言葉で自分や相手を表現し、決めつけてしまう傾向です。

このことで、最初から諦めたり、成長することができにくくなります。


例)「どうせ自分はダメだから・・・」と、練習をしなかったから試合で負けてしまった。



偏った信念を修正方法


では、このような偏った信念(考え方の癖)は、治らないのでしょうか。

実は、先ほど紹介したABC理論には続きがあります。


それは、「D:反論(Duspute)、E:結果(Effect)」です。



D:反論(Duspute):では、自身の認知に反論をしてみます。

「本当にそう思う?」あなたが第3者で、友達がそのように困っていたら、どのように言ってあげられる?を考えてみてください。

その結果、

E:結果(Effect):反論をした結果、感情に変化が湧いてきます。


このように、ネガティブな考え方は、信念(Belief)の部分の反論をする練習をすることで、あなたがかんじる感情も、その結果生じる事象も変化していくことでしょう。

これは、「認知行動療法」という心理療法として実際に行われています。具体的な方法に興味がある方は、インターネット等で調べてみてください。


もう一つ、ネガティブ感情に進まない方法として第3の認知行動療法と呼ばれる方法があります。マインドフルネス等がそれにあたります。マインドフルネスでは、自身の非合理的(不適合な)信念に反論するのではなく、「今、ここでの体験に、評価せずにとらわれない状態のまま、ただ観察していく新的活動及びその状態」と定義されます。つまり、自身の信念や感情に捉われずに「今」を味わうことで、否定的な考えや行動を繰り返さないようにします。


「今」の自分に集中して受容する「マインドフルネス」ぜひ実践してみてください。



(参考文献)

大野裕 , さのかける, サイドランチ(2019):マンガでわかる認知行動療法,池田書店,2019.

ジュディス・S・ベック , 伊藤 絵美 , 神村 栄一, 藤澤 大介(2015):認知行動療法実践ガイド:基礎から応用まで 第2版,星和書店.

堀越 勝,野村 俊明(2012):精神療法の基本:支持から認知行動療法まで, 医学書院.



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京都先端科学大学 健康医療学部 看護学科

川崎 絵里香



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