幸せの量は誰が決めるものでしょうか??
「幸せ」の量は、自分自身の行動パターンによって、大きく変化してきます。
その「幸せ」に関係しているのが、「ポジティブな気持ち」です。
拡張ー形成理論とは?
下の図は、「拡張-形成理論」と呼ばれ、心理学者バーバラ・フレドリクソンが提唱した理論です。
ポジティブ感情の経験が、思考ー行為レパートリーが拡大し、永遠の個人的資源の構築につながり、人々を変え、より前向きになる・・・それがさらにポジティブ感情の経験に繋がる。
・・・ということなのですが、この図を見ても、イメージがし辛いですよね。。
もう少しわかりやすく、日常の場面例に挙げて具体的に説明したいと思います。
ポジティブ感情の経験:感謝の経験の重要性
あなたが誰かに何かをもらった時をイメージしてみてください。
何かをもらった時に「ありがとう」と感謝ができる人と、「何も思わない」人がいます。
この場合の「感謝の経験」が「ポジティブ感情の経験」です。
しかし、何も思わない人の場合は、「ポジティブ感情の経験」を得ることがないままそこで1つの経験が終了してしまいます。
逆に、「感謝」の経験をした人は、嬉しい気持ちになって、そのお返しを誰か(くれた人かもしれませんし、別の人かもしれません)に返したくなるでしょう。また、あげた人は「ありがとう」の言葉で嬉しい気持ちを受け取るかもしれません。
初めの1つの“感謝”で得た「嬉しい気持ち」が、あなたに次の行動を起こす勇気を与えてくれたのかもしれません。
これを、【思考-行為レパートリーの拡大】と呼びます。
幸せだからうまくいく
このような気持ちや行動が次々につながっていくことで、「ありがとう」だけではなく、人間関係や何かの物といった物質などを自分自身が使えるモノ(資源)へと変化していきます【永遠の個人的資源の構築】。
自分自身のモノへと変化した資源は、新たに自分自身が使えるようになり、新しい「良い変化」へとつながり、新たな“感謝”(その他の感情かもしれません)につながります【人々を変容し、上向きの螺旋を生み出す】。
つまり、「何かを成し遂げているから幸せ」「うまくいっているから幸せ」ではなく、「幸せだからうまくいく」「幸せだから、より幸せを作りあげられる」のです。
少し(だいぶ?)前に“ペイフォワード”という映画が流行ったことを覚えていらっしゃる方もいると思います。
ラスベガスに住むアルコール依存症の母と、家を出て行った家庭内暴力を振るう父との間に生まれた、少年。彼が「もし自分の手で世界を変えたいと思ったら、何をする?」という課題に提案した考えは、「ペイ・フォワード」。自分が受けた善意や思いやりを、その相手に返すのではなく、別の3人に渡すというものだ。少年はこれを実践するため、“渡す”相手を探す。仕事に就かない薬物中毒の男、先生、いじめられている同級生…。 いろいろと試みるものの、なかなかうまくいかず、「ペイ・フォワードは失敗だったのではないか」と思い始める。しかし、気づかないところで、このバトンは次々に受け渡されていた(Wikipediaより、「あらすじ」一部改変)。
これが、まさに社会全体を巻き込んで「拡張-形成理論」が実施されたことになります。
ポジティブな感情とは?
それでは、ポジティブの感情というのは、どのような感情のことでしょうか。
一般的には、ポジティブ感情とは大きく分けると以下の10個があります。
「喜び」
「感謝」
「安らぎ」
「興味」
「希望」
「誇り」
「愉快」
「鼓舞」
「畏敬」
「愛」
みなさんは最近これらの感情をどのくらい感じましたでしょうか?
今の自分の感情を知ってみよう。
以下の図を見てみてください。
上にある図は、下のA、Bのどちらの図と似ていますか??
これは、人の感情の状態によって見え方が変わリます。(同じ人でも人によって異なることがあります。)
Aの場合:ポジティブな感情
Aと似ていると思った場合、その人は図形を大きな概念(大きな三角形)と捉えています。
そういう状態の人はポジティブ感情が強い傾向にあると言われています。
Bの場合:ニュートラルな感情、もしくはネガティブな感情
Bと似ていると思った場合、その人はニュートラルな感情(ポジティブでもネガティブでもない)、もしくはネガティブな感情を持っている傾向があります。
ネガティブな人々は「視野が縮小」しがちであり、それにより「視覚の集まりとして見える」傾向があるためです。
ただ、決してネガティブな感情を持つということが悪いわけではありません。
危機的状況を回避するためには、ネガティブ感情が役立ちます。
しかし、日常で「幸せ」を感じるために、10のポジティブな感情を意識して、あなた自身の幸せの螺旋的な向上を目指していきましょう!
京都先端科学大学 健康医療学部 看護学科
川崎 絵里香
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